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Bimi メジャーデビュー後初となるバンド編成でのライブツアー 「Bimi Band Galley Tour 2026 -Dear 28th-」ファイナル東京公演 オフィシャルライブレポート
2026年3月にEP『【人】/INORI』をリリースし、「Bimi Live Tour 2026 -SOME MINGLE-」を開催中のBimiが、メジャーデビュー後初となるバンド編成でのライブツアー「Bimi Band Galley Tour 2026 -Dear 28th-」を完走した。

東名阪を回った同ツアーには、昨年リリースのフルアルバム『R』収録曲「All the things」に客演参加したSit率いるロックバンド・mokuyouviのAkira Kimura (Dr)、Yu Ueda (Gt)、Yoshihiro Nakayama (Gt)と、Bimiのライブサポートや多くの楽曲のトラックメイカーであるDJ dipが参加した。さらにファイナルの東京・Spotify O-EASTは、2023年にメジャーデビューを発表した「Bimi Fes turn 1」や、27歳の“生前葬”である「Bimi Live Galley #04 -Dear 27th-」などを開催した、Bimiにとってのターニングポイントの象徴ともなる会場である。その場所にBimiは28歳の誕生日当日、音楽を通して出会った仲間たちと帰ってきた。音楽少年としてのルーツとアーティストとしての軌跡を融合させた空間は、無邪気な喜びと野心に満ち溢れていた。
SEに乗せてDJ dipとバンドメンバーが登場して配置につき、一斉に音を鳴らすと同時にBimiが勢いよくステージセンターに躍り出る。1曲目「暴食」からmokuyouviの発する豪快な爆音やそれと密接した荒々しい身のこなし、Bimiの衝動的なパフォーマンスやシャウト、ヘッドバンギングなど、すべてが凛々しく頼もしい。その様子からも、大阪と名古屋で作り上げたグルーヴと熱量をこのファイナルにしっかりとつないでいることがうかがえた。

Sitたちも積極的に会場を盛り上げ、Bimiの縁の下の力持ちを務めるというよりは、Bimiを同じバンドメンバーのフロントマンとして担ぎ上げる。ライブのキラーチューン「輪 -味変-」はヘヴィな音色が楽曲の気魄と高揚感をより引き立て、90年代ミクスチャーロックを彷彿とさせるアレンジの「weapons」はパンクやラウドロック、ハードコアなどに精通するmokuyouviのメンバーの演奏が加わることで強度がさらに増していた。

フロアに「バンドスタイルでお届けする激アツなライブなので、こまめに水分補給をしながら楽しんでいってください」と呼び掛け、「inner child」「辻斬り」とBimiの感傷性が表れたミドルナンバーを披露する。Bimiも自身の内側を見つめるように喉を嗄らして歌い、メンバーもそれに思いを重ねるように音を鳴らした。Bimiも様々な音楽ジャンルを取り入れた音楽で自身を表現しているアーティストであるが、mokuyouviもそれぞれ別のバンドで活動している面々が集まっているがゆえに表現や許容力のキャパシティは広く、DJ dipもこれまでのキャリアで様々なトラックを制作している。ひとつの場所からはみだしていくことを面白がれる3組だからこそ作れるグルーヴは、固定観念などにとらわれない。6人の好奇心が弾け合うことで心地よさが生まれていた。

Bimiが「(この編成でのライブは)俺にとってご褒美みたいな日だから、みんなにとっても有意義な時間であればうれしい」と語ると、R&Bテイストの楽曲のセクションへ。「月と太陽」ではアダルティな空間を作り出し、「ここにいるみんなには自分の心に、自分の目で見たものに従ってほしい。すべての事柄に“Question”を持ってほしい」という言葉の後に披露した「Question」ではフロントマンとしてバンドを牽引する堂々たる立ち振る舞いを見せた。それは俳優として舞台で主役を務める姿とも重なり、仲間の存在が彼の力を健やかに発揮させることを再確認する。誕生日というタイミングも、彼の人生を網羅したステージをよりドラマチックに映し出した。
mokuyouviとDJ dipによるインストゥルメンタル楽曲を挟み、ひとりステージに残ったDJ dipが鮮烈なVJとレーザーとともにDJプレイで会場を沸かすと、そこにギターを携えたBimiが合流してセッションを見せる。ライブ中盤はBimiとDJ dipによる、通常編成でのステージが繰り広げられた。ラフな雰囲気で観客に話しかけながらスマートに楽曲へつなぎ、肩肘張らずに迫力あるパフォーマンスを展開する、近年のBimiの定番のライブスタイルだ。
まずは「ガラポン」「人」「INORI」と最新EP『【人】/INORI』収録曲を3曲連続で披露する。自分自身に湧き起こるすべての喜怒哀楽を受け入れるようにリリックを繰り出す様子からは成熟を感じさせた。現在の自身の等身大を冷静かつ緻密に投影させた楽曲はキャッチーでありながらもどこか抽象的で、ユーモラスでもありエッジーで、理性的でもあり感情的でもある。フラットなBimiに触れられたセクションだった。「Splash」では観客の溌溂としたコールに導かれるようにフロアに降りて一体感を作り、「beast」でそのモードをブーストさせると、再びステージにバンドメンバーを呼び戻す。そして「もともとめっちゃバンドがやりたかった」と自身の10代から20代前半を回顧した。

「上京して運よく“種”を見つけられて、その蒔いた種が育って、いまつながってきてる。ここまで連れて来てくれたのはみんなだから」とファンを含めここまで関わった人々との思い出を振り返り、すべての人々が思いやりに溢れていたことへの気づきが自信につながったことを明かす。さらに「全部の物事が、この空間を作っているお前ら一人ひとりが今の俺につながっている。生きていると暗くて苦しいことばかりなのは当たり前だよ。みんなで慰め合って、ぶつかり合えればよかっただけなんです。俺はずっとそれを求めてた」「これからもっとでかくなっていきたいし、ここにいるみんなもあんたらも連れて行きたい」と宣言し、「All The Things feat.Sit」へとなだれ込んだ。
Sitの歌唱パートでBimiはメンバー一人ひとりとハグや握手などを交わし、Sitも観客にまっすぐ呼び掛けてシンガロングを求める。清涼感と情熱を持ち合わせた歌と演奏に、Bimiをはじめメンバー全員の10代の姿も立ちのぼるようだ。Bimiのギターボーカルスタイルと、バンド×オートチューンボーカル×幻想的なシンセサウンドが融合する「Popstar」では様々な感情を揺蕩うような感覚に包まれる。当時のBimiが抱えていたアンニュイな気分は今の彼にも息づいていることを実感する、生々しくもきらめきに満ちた音像だった。

「“マジ最高”しか言えないっす」と感慨に浸るBimiは、「(27歳の期間の)この1年で見つけたことは、この(28歳での)1年を通してライブで伝えたいと思っています」と告げる。そして「俺たちは友達だから、“つらいことがあったら今日のことを思い出して”くらいの感覚です。だからみんなも“今日Bimiのライブ行ってやるか”、“拡散しといてやるか”ぐらいの感覚でいてください。遊びに来てくれたら俺らは全力で返します。だって遊びに来てくれるぶん俺らはでかくなれるから」「“今日のBimiやばかった”と言わせられるように、いつまでもアップデートしてここに立ち続ける。いつまでもアップグレードして皆さんをお待ちしています」と強い眼差しを浮かべ、「LOVE」で本編を締めくくる。最後にメンバー全員がアイコンタクトを取ってジャンプするシーンは、まさにロックバンドならではの晴れやかで美しい光景だった。
アンコールではあらためて27歳に至るまでの自身を振り返り、「-Dear 27th-から今日の-Dear 28th-の1年間でだいぶ大人になったと思う」「今日は27歳で消えたくなってた頃の俺を供養したい」と続け、Uedaのアコースティックギターに乗せて「Nemo」を歌い出した。途中で他メンバー全員が合流して一斉に音を鳴らし、それに乗せて熱い歌声を響かせる姿は、まさにBimiの軌跡をそのまま表していたと言っていいだろう。今の彼は他者から向けられた愛情を取りこぼさずに受け止められるだけでなく、それを自分の血肉にする度量を持てたのだ。それがBimiの言う“大人”のひとつなのかもしれない。
フリースタイルで真摯な気持ちを言葉にした「Die young」、バンドの躍動感とアッパーなボーカルが痛快に響いた「funky night」と会場をポジティブな空気で包み、バンドツアーと誕生日を締めくくったかと思いきや、フロアからはダブルアンコールを求める拍手がなりやまない。急遽メンバーもノープランでステージに戻り、全員の話し合いの結果、Bimiの発案から「-Dear 27th-」時に急遽応えたダブルアンコールで披露した「輪 -味変-」でこの日を締めくくることとなった。「おしゃれに終わるんじゃなくて全員でぶちかまして、渋谷にでっかい輪を作りましょう!」という呼び掛けに、会場全体がボルテージを上げる。各々が歓喜の感情をむき出しにする様子は、非常にすがすがしく壮観だった。Bimiが最後「最高!また会いましょう」と高らかに叫びステージを去ると、余韻冷めやらぬ観客は次々と「ありがとう!」「おめでとう!」の声を飛ばす。Bimiの28年間の人生が音楽というかたちで凝縮された約2時間の熱演だった。

彼は現在開催中の「Bimi Live Tour 2026 -SOME MINGLE-」のファイナル公演を5月23日に東京・ダンスホール新世紀にて迎え、9月12日、13日には夏祭りをコンセプトに空間を作り上げる「Live Galley #10 -晩夏-」、泡を使⽤した演出を設ける「Live Galley #11 -Bubbly-」の2days開催を予定している。アーティストや俳優仲間、チームはもちろん、ファンともに感情を分かち合い、自己開示を続けるBimiは、この先も音楽で時にはピュアに、時にはスリリングな遊戯を飛び道具のように次々と仕掛けてくるだろう。彼が人生を楽しむための方法論に、カテゴリーなどは必要ないのだ。




