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EP『【人】/INORI』を引っ提げた全国ツアー 「Bimi Live Tour 2026 -SOME MINGLE-」ファイナル東京公演 オフィシャルライブレポート

BimiのEP『【人】/INORI』を引っ提げた全国ツアー「Bimi Live Tour 2026 -SOME MINGLE-」が、2026年5月23日(土)にダンスホール新世紀にてファイナルを迎えた。

2026年3月20日よりスタートし、ゲストアーティストを招いた対バン5公演とワンマン5公演で構成された同ツアーは、様々なアーティストが持つ楽曲やライブのエネルギー、表現者としてのメッセージが交差することをテーマに企画された。ツアーファイナルでBimiが見せたその景色には、これまでの人生で支えてくれた人々へ向けた最大限の愛情と感謝が広がっていた。

 

SEに乗せてまずDJ dipが登場した後、浮世絵を模したシャツと茶色のグラデーションサングラスを纏ったBimiがステージ上手(かみて)側の中2階にあるサブステージから躍り出て、『【人】/INORI』の1曲目を飾る「ガラポン」で景気よくツアーファイナルの口火を切った。ミラー式タイルの壁、豪華絢爛なシャンデリア、赤い緞帳といった昭和のモダンな趣が感じられるダンスホールと、和楽器がアクセントになったトラックは不思議な親和性を醸す。のちのMCによると、この日のBimiの衣装はダンスホール新世紀の雰囲気に合わせたものだそうだ。それらを違和感なく、スタイリッシュかつユーモラスに成立させられるのも、彼の天性のミクスチャーセンスあってこそだろう。

 

観客のテンションの高さに目を輝かせるBimiは、水を得た魚のようにいま湧き上がる思いを「Awake now」「無敵」のラップやボーカル、フリースタイルのリリックに乗せてゆく。観客もそれを受け止めるように盛大にシンガロングやコールで応え、より親睦を深めながらライブは進んだ。「funky night」ではBimiが「一緒に歌おう!」と呼び掛け、ステージをフルに使ったダイナミックなパフォーマンスを繰り広げ、フロアと一丸となってダンスホールを躍動させた。

誰ひとり置いていかないライブをすること、ここにいる全員を楽しませることを自信満々に宣言すると、「Popstar」ではその心意気をそのまま投影した頼もしい佇まいとボーカルで魅了する。それに触発されたフロアもポジティブなエネルギーをBimiに向かって発し、それを受けたBimiも「狙撃」でナチュラルな興奮をむき出しにした。相乗効果が続くことに比例して、会場の純度も増し続ける。「人」では会場の熱気に導かれるように音に身を委ねながら歌唱し、自身の感情を歌詞の一言一句に刻み付けた。

 

DJ dipとともに音楽を作り始めた頃の出来事を振り返るBimiは、今も当時の反骨心が根幹にあるものの、仲間が増えたことで生まれた責任感がそれを上回っていることを明かす。そしてこのツアーについて「“もっとかっこよくなっていこうぜ”というマインドや、出会ったものへの誠意が顕著に出た」、新作EPについて「みんなをどう楽しませてやろうかを考えた」「みんなが何かに向かう一歩を踏み出せるようなものにしたかった」と語り、再度「この先新しくいろんな景色が広がっていくので期待していてほしい」と今後への気合いをあらわにした。

 

「今日は問題もないし、心配もない。みんなの声も熱気も最高だから、このままどこまでもいっちまおうぜ!」と高らかに声を上げると、「Jealous」では曲に込められた悲痛な気持ちを声と一挙手一投足に乗せた。ミクスチャーロックナンバー「weapons」や重低音がダークな要素を際立たせる「Devil」も楽曲を制作した当時の心境が立ちのぼるだけでなく、当時の自分を冷静かつフラットに見つめる現在のまなざし、現在進行形でこみ上げる喜びが交差する。そこに俳優活動で得た細やかな表現力が加わることで、曲にしたためられたディープな本質がクールかつクリアに伝わり、ブライトなイメージを与えた。「exorcist-味変-」ではその本領を発揮し、楽曲の奥深くへと自分自身を沈めながら気魄溢れるパフォーマンスで観客の意識を引き込む。彼がいま外に向けて発進する前向きなエネルギーと、過去に自分自身の衝動から目をそらさずに、深く鋭く向き合い続けてきたエネルギーは、矢印の方向が異なるだけで地続きなのだろう。そして彼を音楽活動へと突き動かした様々なきっかけのうちのひとつには、胸のうちに抱えていた生々しい本音や、心に受けた多数の傷を受け止め、共鳴してくれる同志とも言える存在を強く求めたことも挙げられるのかもしれない。観ている側にそんな物語を想像させてしまうほど、隙のないアクトだった。

 

約5年間の音楽活動の中で多彩な楽曲を作り続け、自分自身の思い描いていたライブができるようになってきたこと、この期間でメイントラックメイカーのDJ dipと切磋琢磨できたことへの充実感を口にすると、「一緒に苦しみの中で楽しく生きていきましょう」「一緒にシンガロングしてくれたらうれしいです」と呼びかけて「額-HITAI-」を歌い始める。サブステージに上がろうとするも、観客の歌声を聞いてその足を止めて「こっち(の目立つ高い場所)じゃないな、みんなと同じ目線で」と言い、観客を仲間として自身の音楽へと招き入れ、ステージに立つ人間として悲しみや優しさを凛とした姿で届けた。「Unique」ではその思いをより強固かつ晴れやかに彩り、「みんなの幸せを祈らせてください」と告げ披露された「INORI」では曲中のフリースタイルで「音楽を続けていてよかった」と率直な気持ちを明かす。最新曲含め2025年以降の楽曲で、現在の支柱となるモードを伸びやかに体現した。

 

DJ dipによるBimi楽曲のリミックスDJタイムを挟み、ライブは佳境に入る。「軽トラで轢く-味変- feat.椎名佐千子」のイントロとともにBimiが再びサブステージから登場すると、フロアもすかさず演歌パートを熱唱した。シュールとエッジのハイブリッドを追い風にしてなだれ込んだ「Splash」では宇宙人キャラクター“コシカワ”も登場してまさにお祭り騒ぎを巻き起こし、フロアとともに息の合ったステージを繰り広げた。溌溂としたコールとジャンプで揺れるフロア越しに臨むBimiは、波に乗るサーファーのようにも、巨大な神輿のようにも見える。ステージもフロアも歓喜の感情をあらわにする様子は、灼熱で爽快だった。

 

メジャーデビュー3周年を祝した“Live Galley”シリーズを11月に東名阪で開催することを発表した後は、メジャー1st EP『心色相環』から「babel」以外の5曲を連続で披露する。フリースタイルで直近のギャンブル戦績を報告するなどアンニュイで朗らかなムードを作った「博徒街道」、「みんなの抱える痛みを代弁する」という言葉のとおりの気魄あふれるハイトーンボイスを響かせた「怒鈍器」、憂いを軽やかに表現したパフォーマンスが心地よい「インベーターインバイト」、鋭くもアッパーなパフォーマンスでフロアを沸かした「ミツ蜂」と、それぞれ喜/怒/哀/楽を主軸にした楽曲を連続で届ける様子は、今のBimiはどんな感情でも小気味よいものとして昇華できる度量を持っていることを証明していた。

 

「輪-味変-」で観客とともに会場を大いに沸かし、興奮冷めやらぬBimiは友人知人からファンの熱量の高さを絶賛されることに触れ、「俺より再生数があったり、かっこいいと言われてるやつは山ほどいるけど、ぶっちゃけライブのパフォーマンスと熱は誰にも本当に負けてない。マジで最高!」と感動をあらわにする。そこには観客からのエネルギーが自分自身の力になっていることへの感謝と喜びが素直に表れていた。「Die young」ではフリースタイルで観客にあらためて感謝を告げ、観客もその思いにシンガロングで応える。フロアからはサビ以外の箇所も滑らかかつ高らかな歌声があふれ出し、その声を浴びているBimiはこの日最高潮と言ってもいいほどの幸福感に包まれていた。

 

最後に「みんなの心のなかに、明日も頑張れるようなちっちゃな火を灯したいと思って歌ってきた」「このツアー10公演と、Band Galleyの3公演の13公演で灯したちっちゃい火を集めて、今日はちゃんとでっかい火を灯して歌います」「みんなも俺に火を灯してくれてありがとう」と力強く語り、ツアーを「カグツチ」で締めくくる。彼がステージで歌声に灯した火は、溢れんばかりの感謝の念だった。観客をはじめ支えてくれる人々から受け取った感情を自分なりのやり方でしっかりと返したいという強い思いが、今の彼を突き動かしていることを痛感した。そして観客もBimiから与えられるだけではなく、Bimiに自分自身の思いを届けられている実感を得ているからこそ、これだけ相思相愛とも言える環境を作れているのだろう。ステージとフロア、そこには高さの差はあれども優劣などはなく、各々の輝きがお互いを照らしていることを象徴したラストだった。

 

「ツアー最高でした。1週間声が出なくなるくらい歌い切った。悔いはない」「余すことなく最高の空間が作れて、SOME MINGLE全10公演ありがとうございました! 最っ高!!」と言い残し、Bimiはステージを後にした。27歳の生前葬として2025年4月に開催された「Bimi Live Galley #04 -Dear 27th-」前から散見していた彼の新たなモードが、完全にこのツアーで盤石なものになったと断言できる、すがすがしさに満ちたツアーファイナル。ステージを去ったときのBimiの颯爽とした背中は、仲間たちの期待を一身に背負い、まだ見ぬ未来へと果敢に飛び出していく勇者のようだった。

 

 

「Bimi Live Tour 2026 -SOME MINGLE-」SETLIST

M01 ガラポン

M02 Awake now

M03 無敵 feat. 呂布カルマ

M04 funky night

M05 Popstar

M06 狙撃

M07 人

M08 Jealous

M09 weapons

M10 Devil

M11 exorcist-味変-

M12 額-HITAI-

M13 Unique

M14 INORI

M15 軽トラで轢く-味変- feat.椎名佐千子

M16 Splash

M17 博徒街道

M18 怒鈍器

M19 インベーダーインバイト

M20 ミツ蜂

M21 輪-味変-

M22 Die young

M23 カグツチ